人形靴を作っている人のブログ。

足首あたりをキュッと引き締める。
余分はなく、適正にフィットしている感じ。
そんなフォルムに仕立てると、靴を履いてます感がよく出る。
大草原を、しっかり歩き回るためのブーツ。
外から見ても、いかにも動きやすそうな、そんな気配を感じられるブーツを目指しました。
フィンガープルループ（履き口後端のループ）の取り付けは、刺繍を兼ねた星型ステッチ。
本体が黒なので、全体の印象が重くなってしまわないかと、ご依頼者様の危惧もあったので、減量効果を狙ったお星様ダイエット（笑）
殺風景な表情に、ぱっと華を添える、ちょっとした遊び心です。
後ろを向いた時にしか分からないけど、その控えめなところが、よりチャーミング！？
トランクいっぱい衣装を詰め込み、さあ出発！
マドレーヌちゃんに良く似合う！
そう確信できるブーツとなりました。
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▼制作後記▼
足長で3センチ。筒の高さもだいたい同じ。
このくらいの、ことレースアップブーツになると、靴紐の長さを決めるのが非常に難しい。
なぜかというと、靴の大きさに合わせて靴紐を結び、その状態でバランス良く長さを決めてしまうと、その後一旦解いたら最後、ほとんどの場合、寸法足らずで再び結ぶことが出来なくなってしまう。

なので対策は、靴紐を長めに取るか、もしくは解かなくても履けるように、靴の方を大きく作るか。

いずれも見た目のことだけを考えたら、あまり好ましい事ではないけれど、幸いにして、このサイズの人形は、体が小さいが故に、大きめの靴を履かせても、むしろそれがチャームポイントになったりもする。
ちょうど子供が大人用の大きな靴を履き、ブカブカ引きずって歩くような可愛らしさだ。
なので靴を大きくしても、スケール感さえ合っていれば（重要）、とりわけ違和感を感じることはあまりない。

とはいえ一方で、借りてきた靴のようでもあるし、なによりブカブカ靴は幼稚な印象が付いて回ってしまうので、今回のブーツのように、幼稚に作りたくない時は、やはり適正サイズの靴を作る他ない。

そこで靴紐問題だ。
実際に結く事のできる長さであり、尚且つ、見た目で長過ぎという印象を与えない程度に、ギリギリの寸法設定を考える。
今のところこれが、妥協点としてはベストだ。

それでもなお、靴紐の多少の結び難さは残るので、ご依頼者様には着用の度にひと手間をお願いすることになってしまう。
しかし今回は、ご自身でもドール服をお作りになる、そのくらい手先は器用な方なので、少々の無理は大丈夫かなと？実に甘えさせていただきました。（笑）

かくして、その甲斐あって、着用のひと手間と引き換えに、得るものは非常に大きいと思っています。
やはり適正サイズの靴は違和感がなく、無駄な注目を集めないので、ドール全体で見た時の、馴染み方がとても良い。
その佇まいの整いようは、是非とも着用写真でご確認いただければと思います。
おわり。

▼お客様フォト▼
着用画像をいただきました。
（photo by POUPON様）
そうそうそう、このサイズ感！
届いた写真を見ての第一印象です。
まさにイメージした通りの、マドレーヌちゃんの姿が写真にありました。
ブカブカ可愛いも良いけれど、やはり最適サイズには敵わない。
そんなことも再確認できたので、今回もまた良い勉強になりました！
ありがとうございました。
▼お客様レポ▼
靴のご感想を、ブログでご紹介していただきました。
僕の自画自賛のブログよりも（笑）、はるかに説得力がございます。
こちらも合わせてご覧くださいませ。

BLOG " Madeline Day "
>>「マドレーヌちゃんの靴」

本日これにて。