マドレーヌちゃんのヌメ革ブーツ ◆靴の種類:レースアップブーツ(ハーフ丈)
◆使用素材:牛ヌメ革
◆サイズ:約35mm
◆対象:マドレーヌちゃん 8インチ(エデン社)
◆その他:つま先丸く/底付け出し縫い/靴紐先端飾り/靴下着用につき厚味分考慮

ブーツトップラインとフィンガープルループの関係 ドール靴もここまで小さくなると、靴紐を結ぶのがまぁ大変。
ブーツといえど、出来ることなら紐は解かず、そのままスポッと履きたいところだ。
しかしそこを優先すると、今度は靴が不必要に大きくなる。
ドール靴の、ことブーツにおけるジレンマだ。
人形のサイズに対して靴だけ妙に大きくて、スケール感が損なわれているケースは実に多く、小さい人形ほどその傾向は強い。
スケール感が合わない、大きな靴を履かされた人形を目にする度に、足が重そうで可哀想だなと、実は思っている。

靴の最適サイズを保ちつつ、履き易さを確保する。
その為の工夫として、履き口後方を下げたデザインを採ってみた。
そのままでは反っくり返って見えてしまうので、下げた後端にループ(*1) を付けて、見かけ上のバランスを取る。
(*1)フィンガープルループという:(finger pull loop)
履き口後端の尻尾のようなパーツ。靴を履く時に手の指を引っ掛けて使うと便利。

濃いピンクと淡いピンク 靴紐を通す穴がある部位を羽根と呼ぶ。
羽根の付け根には、羽根止めと呼ぶステッチがあり、羽根が開き過ぎて千切れないよう防止している。
この羽根止めと、フィンガープルループを縫う×印のステッチだけ、淡いピンクの糸を使う。
靴の裏地のピンクと合わせた、さりげな~いアクセント。
これ見よがしの濃いピンクにしないところが大人(笑)

ヌメ革ブーツとユーズド調ウッディートランク ウッディーなトランクも完成。
黄ボール(ボール紙)で作ったから、ウッドではなくウッディー。
一旦塗装を施した表面に、敢えてサンドペーパーを当ててペイントを剥がし、ユーズド感を出してみた。
一方ヌメ革のブーツは、いわゆる経年変化によって、段々と飴色に変色していく。
エイジングとも言われるこの変色は、時間と共に育つ革の味わいとして、好む人も多い。
トランクをユーズド仕上げにしたのは、将来、味わい深いブーツに育つであろうことを見込んでのこと。
その時の、両者の枯れ具合を生かしたコーディネートをも、楽しめるよう期待を込めた。
それを見られるのは、ご依頼主様だけの特典だけど、作者としても秘かに楽しみにしている。

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▼制作後記▼
マドレーヌちゃんの足は、小さいだけでなく極度の甲高で、かなり癖のある形をしていました。
足長だけ合わせて靴を選ぶと、甲がつかえて履けない靴も多いだろうなと予想も的中。
やはり今回のご依頼主様も、そんな経験をお持ちでした。

そうなると、靴はもう純正品を頼るか、特注で作るかしかない。
様々なシーンに合わせて、ドールファッションを楽しもうとすれば、選択はもはや後者一択。
そこでお声を掛けていただき、靴難民救出作戦が始まりました。
今回は全3足のご注文をいただきましたので、続けてご紹介いたします。
2/3足目:
「元気カジュアルに変身!ジョッパーブーツの編み込みベルトの ヒ・ミ・ツ。― マドレーヌちゃん の 靴 を作りました。」

▼2017/02/10:追記▼
シンプルバージョン別バージョンを作りました。
靴底にステッチの入らないシンプルバージョンです。
裏地も最小限で、軽やかに仕上がりました。

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▼2017/03/07:追記▼
itmdお客様レポート:
「ほんとに自立するんですね。大感激です。
想像していたより、軽く。こんなに軽やかなのに、ちゃんと自立するので、驚きです。ありがとうございました。」

▼2017/11/18:追記▼
IMG_0421 お客様レポート:
「うちのマドレーヌちゃんです。
新しい靴を貰ってさらに可愛くなりました!
靴だけでも可愛く、履かせてみてもその姿にウットリ。思わずニヤついてしまいました^_^
とても小さいので蝶々結びが苦労しました笑
自立もバッチリで嬉しいです。」

ヌメ革ブーツ大人気です!
post by れん@人形靴職人(@rensroom
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