ワンストラップ(メリージェーン) ◆靴の種類:ワンストラップパンプス(メリージェーン)
◆使用素材:(表)牛革・(裏)山羊革
◆サイズ:約170mm
◆対象:オリジナル球体関節人形
エッグトゥ 高さのある(厚みのある)指先をスマートに靴の中に収められるよう考慮して、トゥスタイルはタマゴのような丸みを帯びた通称エッグトゥを採用。

丸コバ 靴底の断面(コバ)は丸コバ仕上げ。
エッジを立てず角を丸めて、エッグトゥの丸味と共に女性らしい柔らかな印象に。

両市(りょういち) 市革(*1)はハートを思わせる両市(りょういち)を採用。
ほんのちょっと大きめにデフォルメして存在を強調。

(*1)市革(いちかわ)
踵後端の縫い目(縫い割りという)上部にあって、縫い割りが裂けないよう、かつ美観を整えるためのパーツ。市(いち)または市革(いちかわ)という。市革には両市の他、片市(かたいち)、ちょぼ市、棒市などがある。


▼制作後記▼
今回のご依頼靴は17センチと大きく、ちょっとした子供靴くらいの大きさです。
制作された人形の身長も1メートルを超えるそうです。
流石にこのくらいの大きさになると、ドール靴というよりは、もう人間の靴と同じです。
しかし、人間の靴だと思って作ってしまうと、ドール靴にはなりません。

人間と違って人形の足は、靴に足を入れても指先が閉じません。
更に、ほとんどの人形の足は、人形の足としては形が不格好になるので、指が閉じた状態(靴を履いた時の足の状態)では作られていません。

つまり、靴は履かせたいけれど、足はそれに適した形をしていない。
人形の足と靴の間には、突き詰めていくとそういう矛盾があるのです。

そしてこの矛盾を解決することが、人形靴職人としての仕事のひとつ。
いわば腕の見せどころ。
見方を変えれば、ドール靴を作るということは、そういうことでもあるんですね。

僕は人間用の靴も作っているので、ドール靴制作へのアプローチも自ずとそれに準じています。だからこそ、そんなことに気付いたのかもしれません。

ドール靴作りと人間用の靴作り。
そのノウハウには互いに似て非なるものがある。
今回はそのことをより明確に感じることができて、とても良い勉強になりました。

小難しいこと言ってないで、もっと気楽に作ればいいのにね~o(>▽<)o

tumblr他にもTumblrに画像があります。

本日これにて。


▼2014/06/26追記▼
お客様より着用画像と作品展のお知らせを頂きました。

作品画像 足元を飾るお手伝いをさせていただいたお人形です。
靴の制作時には、まだ足だけしか見ていませんでした。
こうして完成形を目の当たりにすると、人形靴を作ったんだという実感と共に、このお人形と関わりが持てたことが、とても光栄に思えてきます。

さて、いよいよ作品展が始まるそうなので、告知のお手伝いをさせていただきます。
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「てらおなみ人形教室展 &てらおなみ個展」
【とき】:2014年7月4日(金)~7月8日(火)
11:00AM~7:00PM(最終日は5:00PM迄)
【ところ】:Gallery4匹の猫
大阪市北区茶屋町5-2
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お近くの方は是非、足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
post by れん@人形靴職人(@rensroom
◆ ブログの更新をお知らせしております。
Twitter (@Dolls_shoes_now)
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